音楽をレーベルやアーティストに送る方法

完成した音楽をSoundCloudにアップしたり、SNSで反応を伺う選択肢は取りやすいと思いますが、レーベルやアーティストに送るとなると少しハードルを感じますよね。ましてや海外に向けてとなると独自のルールや送信方法など、心配な点が多いかと思います。
レーベルにチェックされリリースが決まれば最高ですし、アーティストに注目されればラジオやフェスティバルで流してもらうチャンスです。この可能性を少しでも上げるためには、音楽の質と同じくらいメールの質も上げたいところです。
今回はそんな方のために参考となる「音楽の送り方」についてご紹介していきます!
 

念頭に置くこと

 
 
私たちが送ろうとしているレーベルやアーティストには、毎日何百という音楽が世界中から送られ続けています。それらがごちゃごちゃになっている限り、整理して聴くことも彼らにとっては厳しいわけです。
彼らにベストな方法で音楽を聞いてもらうため、すべきこととしてはいけないことに関するガイドラインをご紹介いたします。
 

してはいけないこと

 

 
・メールの添付ファイルとしてmp3を送信しない
 

彼らがもしデモが届くたびにファイルをダウンロードしていたら、SSDがパンクしてしまいます。
 

・不完全なトラックを送らない
 

完成したトラックを送りましょう。そうすればレーベルやアーティストは作品全体の雰囲気を掴むことができますし、サポートしたいと考えた場合はミックスすることもできるためです。
 

・Facebookメッセージで送らない
 

Facebookは音楽を送信するのに最適なプラットフォームではありません。メールの方がよっぽど整理整頓に最適です。
 

・リンクだけの空メールを送らない
 

スパムとしてフラグが付けられる可能性があります。先方もリンクをクリックすることは無いでしょう。
 

・送信したトラックについて催促のメールを送らない
 

レーベルやアーティストからのメールの返信は、2~3週間後が妥当です。稀に数日で返信が来ることもありますが、大抵はある程度の期間を要します。デモが響かなかった場合は返信がないこともほとんどです。
一度送った後は、過度な期待をせず次のトラック制作をしましょう!
 

すべきこと

 

 

・ビットレート320kbsのmp3以上であることを確認する
 

低品質のファイルで送っても、レーベルやアーティストからサポートされることはありません。私たちが送る相手は音のプロフェッショナルであるということを忘れてはいけません。
 

・トラックに適切な名前をつける
 

これはこのガイドラインの中で最も重要なことです。レーベルやアーティストは、全てのメールの内容を細かくチェックする余裕は無いので、情報がファイル名に入っているようにしましょう。
 
シングルトラック
アーティスト名 – トラックネーム [レーベル名 or 署名なし]
 
リミックス
アーティスト名 – トラックネーム (リミキサーネーム Remix) [レーベル名 or 署名なし]
 

・トラックをオンラインのどこかにアップロードしてURLを送る
 

簡単にリンクにアクセスしてダウンロードできるように、トラックをWetransfer、Soundcloud、Dropboxなどにアップロードしましょう。リンクが機能しているかどうかの確認もお忘れなく。
 

・ストリーミング再生が可能なバージョンで送る
 

時間の無駄にならないよう、ダウンロードする前にトラックを素早くプレビューできると便利です。Soundcloudはこれに最適です。(プライベートリンクにすることも可能です。)
 

まとめ

 
せっかく自信を持って提供できる良い音楽を作れたのですから、レーベルやアーティストにもしっかりチェックしてほしいものですよね。
今回のガイドラインを確認してメールを送れば、間違いなく彼らの耳に届くことになるかと思いますのでぜひご活用ください。
 
GINPEI

ヘッドホンを使ってミキシングしましょう。

良いミックスを仕上げるためには良いスタジオ環境、モニタースピーカーが必要不可欠だと言われています。
では一方で、ヘッドホンを使ってミキシングを進めるのはどうなのかというと、意外にも非常に良い結果をもたらすことがあります。
完璧なスタジオ環境を持っている人は少ないと思うので、今回の記事は多くのベッドルームプロデューサーにとって朗報ですね!
 

何と言ってもコスパが良い

 

モニタースピーカーの市場価格は幅広く、バリエーションも豊富です。
5~15万円の素晴らしいモニタースピーカーは数多く存在しますが、多くの経験豊富なエンジニアがよりハイエンドなものを手に入れるために30~40万円のスピーカーをゲットできるまで頑張ってお金を貯めるようアドバイスをすると思います。それは高い…。
 
一方、ヘッドホンはハイエンドなモデルでも5万円ほどです!
しかも、モニタースピーカーと比べるとヘッドホンは安価なモデルでも質が落ちにくいです。
 
逆説的ではありますが、しばらく良いモニタースピーカーを買う余裕が無いことがわかっていれば、ミックスに最低限必要なヘッドホンに一定以上の金額を投資することはベストな選択ですよね。
その後スピーカーを購入したら、そのヘッドホンはとても優秀なミックスのセカンドオピニオンになります。
 

部屋の音響の影響を受けない

 

モニタースピーカーと部屋の環境は切っても切り離せない関係です。
最高級のモニタースピーカーを手に入れたとしても、音響の悪い部屋でミックスをしていればまさに宝の持ち腐れです。

一方、ヘッドホンを使用してミックスを行う場合、部屋の音響空間は関係ありません。これは非常に大きなメリットですね。
 
音響の悪い空間の最大の問題点は、不正確なローエンドです。これは主にキックやベースの不正確なミックスを引き起こすため、楽曲の基盤を損なうことになります。
だからこそ、優れたスタジオ環境で作業をしているプロでさえもヘッドホンでの定期的なチェックを欠かしません。
 

まとめ

 
DAWソフトを手に入れていざ作曲を始める際に必要なツールの中で最優先アイテムはヘッドホンと言えると思います。
もちろん長期的に見ればミキシングにおいてヘッドホンだけが唯一の選択肢ではありませんが、優れたリスニング環境を手に入れるまでヘッドホンはベストな解決策になります。
 
優れたモニタースピーカーをすぐに買えないうちは、ヘッドホンでミキシングを鍛えるチャンスタイムです!

Vocal Chops -2-

     

みなさんこんにちは!

    

今回は、「Vocal Chops」の後編です。

(前編はこちら “Vocal Chops -1-” )

前編では、ボーカルのワンショットを選び、

サンプラーのEXS24に取り込むところまででした。

その続きを早速はじめていきましょう。

   

   

  

4 ) Vocal One ShotをEXS24でエディットしよう

   

ボーカルワンショットを取り込んだサンプラーEXS24を開きます。

    

   

EXS24の右上にあるedit”をクリックし、エディターを開きます。

   

    

各ボーカルワンショットはそれぞれ鍵盤に、

「A (ド#) はC0」「B (ド) はC#0」「C (ド) はD0」に割り当てられています。

    

    

C0の鍵盤を弾くと、Aが発音されるようになっているため、

C0 (ド) を弾いているのに “ド” ではなく、”ド#” が発音されることになってしまいます。(B, Cも同様)

このままでは弾きたいメロディが思うように弾けなくなってしまうので、しっかり設定する必要があります。

   

「ピッチ」「キーレンジ」の項目を画像のように設定しましょう。

   

ピッチ : そのオーディオのオリジナルのピッチ (音程) をどの鍵盤に配置するか決める。

キーレンジ : そのオーディオを鍵盤に割り振る範囲を決める。

            

    

[ ピッチ ]

「Aは “C#0” 「Bは “C2” 「Cは “C4”

   

※ボーカルワンショットのオリジナルのピッチが、そのまま鍵盤に当てはまるように設定する。(Aの場合、オリジナルのピッチが “ド#” だったので、C#0に配置。)

   

   

[ キーレンジ ]

「Aは “B-1 〜 A#1” 「Bは “B2 〜 A#3” 「Cは “B3 〜 B5”

   

※キーレンジの範囲を広くとるのは、どのメロディーにも対応できるように。

(Aのキーレンジが “C#0〜D0” だった場合、Aのボーカルワンショットは、C#0とD0でしか弾けない。)

  

  

また、ピッチの設定を2オクターブずつ離しているのは、各ボーカルワンショットが被らないようにするためです。

            

例 )

[ ピッチ ] : 「Aは “C#0” 「Bは “C0”

[ キーレンジ ] : 「Aは “B-1 〜 A#1” 「Bは “B-1 〜 A#1”

この場合、C0を弾いた時にABが同時に鳴ってしまう。

  

  

    

5 ) どのVocal One Shotでメロディを弾くか考えよう

   

ボーカルワンショットをサンプラーに取り込んだ時にできたリージョンは削除し、

Vocal Chopsにするために考えた元のメロディをコピーします。

    

   

コピーしたままだとこのようになります。

    

    

2ヶ所、音が高くなっているのは、「B = “B2 〜 A#3” の範囲内 “G3” の高めのボーカルワンショットが鳴っているからです。

また、ほとんどを “C” で弾いていることになります。

     

     

このままでは、少しおもしろみに欠けるので、

ここからより良くするために、画像のようなMIDIの配置にアレンジしました。

弾いているピッチ自体は変わらず (メロディ自体は変わらず)、

A, B, C、どのボーカルワンショットに発音させるかを考えます。

    

   

これで、完成系のVocal Chopsができました。

    

    

このMIDIのアレンジは少し考える必要がありますが、バリエーションは無数にあるので、試行錯誤しながら、楽しみながら作ってみてください。

  

  

   

そして、このVocal Chopsに「Stereo Delay」、「ChromaVerb」、「Kickstart (サイドチェーン)」の順番でエフェクトをかけています。

   

         

「Stereo Delay」の設定

    

「ChromaVerb」の設定

     

「Kickstart」の設定

(Kygo – Stargazingを参考にサイドチェーンでノリを作っている)

   

そして、ピアノでコードをプラスすれば完成です。(サイドチェーン有)

    

     

コード進行 : F / C / G / Am (Key=Cメジャー)

     

   

   

いかがだったでしょうか?良いVocal Chopsはできましたか?

しっかり自分のモノにできれば、大きな戦力になるはずです。

そして、ワンショットって使いようないな、と思っていた方も、

これでワンショットとお友達です。

この方法で、シンセのワンショットも同じようにEXS24に取り込み、メロディを弾くことができますね。

 Vocal Chopsでこの夏を乗り切ろう!

   

  

   

RYOTA

Vocal Chops -1-

          

みなさんこんにちは!

          

今回は、KygoやMarshmelloからONE OK ROCKなど、様々なジャンルの多くのアーティストが取り入れている、

「Vocal Chops (ボーカルチョップス)」を作っていきましょう。(前編後編)

※ボーカルカットアップと言われることもある。

     

言葉としてはあまり聞いたことがないかもしれませんが、

音で聴いてみると聴き馴染みのあるものだと思います。

少し敷居が高い、難しいそう、やり方がわからない、と感じていた方は、

これを機に、Vocal Chopsを使いこなしていきましょう。

   

      

     

まずは、完成されたものお聴きください。(Key=Cメジャー、BPM=110)

     

     

聴いてみるとわかるように、ボーカルのいち音いち単語を使ってメロディを奏でているものがVocal Chopsです。

    

    

    

1 ) メロディを考えよう

     

まずは、Vocal Chopsで使う大元となるメロディを考えましょう。

ここでは、みなさんがいつもメロディを考えているやり方で構いません。

最初は難しいかもしれませんが、Vocal Chopsになるイメージをしながらメロディを考えるとうまくいきやすいです。

(ここのメロディは、こんなかんじで発音してーーーなど。)

Vocal Chopsにする前は、このようになっています。

     

        

    

     

      

2 ) Vocal One Shotを選ぼう

       

1 ) で考えたメロディに当てはめるVocal One Shot (歌中のボーカルのいち音いち単語を切り取ったもの) を選びます。

この選び方は、2パターンあります。

        

1. サンプルパックなどに入っているVocal One Shotを使う。

2. アカペラから切り取る。

       

今回は、1の方法で進めていきます。

     

2のポイントは、

・長い音符のところを使う

・母音 (あいうえお) を使う

     

このふたつのポイントを基本に持っておけば、うまくいきやすいです。

   

選んだVocal One Shotは、この3つ (A, B, C) です。 

         

A

       

B

    

C

       

この3つを選んだ理由は、それぞれソロで聴いて、

これでうまくいきそうかな、というアバウトなイメージです。

一度試してみて、うまくいかなかったら違うワンショットに換えれば大丈夫です。

直感で「良さそう」と思ったものを選んでみましょう。

   

  

   

3 ) Vocal One Shotの音を調べよう

   

選んだワンショットをDAWに取り込みます。

   

      

この段階で、それぞれのワンショットがどの音 (ドレミ) でなっているのか、確認する必要があります。

どの音なのかわからない方は、Logic付属の「Tuner」を使いましょう。

ワンショットのオーディオを入れたチャンネルにTunerを挿し、

ワンショットを再生すれば、そのワンショットがどの音なのか判別してくれます。

        

    

    

使用したワンショットは、A=ド#, B=ド, C=ドでした。

  

  

  

3 ) Vocal One Shotをサンプラーに取り込もう

   

3つのワンショット全てを選択し、新規サンプラートラックに変換します。

    

   

「ゾーンの作成元」は、リージョンを選びます。

「EXSインストゥルメント名」は、Vocal Chopsにしました。(何でも構いません)

   

   

すると、新しいMIDIトラックができます。

   

     

そして、現段階では、C0にAC#0にBD0にCに配置されています。

      

    

これでは、メロディを弾くことができません。

(この3つの鍵盤でしか音が鳴らないため)

最初に考えたメロディをそのまま、このワンショットたちに奏でてもらいたいので、

サンプラーで設定する必要があります。

   

   

今回はここまでです。

続きは、次回「Vocal Chops -2- 」でお会いしましょう!

お楽しみに!

  

  

   

RYOTA