DJミキサーエフェクト”FILTER”プラグイン

    

みなさんこんにちは!

     

今回は、DJで使用するミキサーにあるエフェクト「SOUND COLOR FX “FILTER”」を、楽曲にも取り入れることができるプラグインとEQで同様の効果を得る方法を紹介します。

この「SOUND COLOR FX “FILTER”」は、DJ中によく使用されていて、名前は知らずともその音には馴染みがあるはずです。

このツマミ部分の”FILTER”のエフェクトです。

    

   

使用するプラグインは、Xfer RecordsDJMFilter(フリープラグイン)。名称はそのままですね。

      

Xfer Records 「DJMFilter」

    

とてもシンプルな作りで、DJミキサーの「Filter」のエフェクトだけのプラグインになっています。

真ん中の時計の針のようなところを操作すれば、簡単に「Filter」の効果を得られます。

左に振ると「ローパス(高音域をカットした音)」、右に振ると「ハイパス(低音域をカットした音)」になります。

では、さっそくエフェクト音を聴いてみましょう。

      

Original

         

Version 1

      

ローパスからハイパスのオートメーション

      

      

Version 2

      

ビルドアップ終わりに急激にローパスするオートメーション

   

例ではビルドアップにエフェクトをかけていますが、アイディア次第ではいろいろなところに応用できるエフェクトです。

   

   

     

次にEQを用いて、同様の効果を得られる方法をみていきましょう。

エフェクトのかかり具合はこのような音です。

     

EQ Version 1

     

ハイカットオートメーションでハイカット

   

    

EQ Version 2

       

ハイカットオートメーションで急激にハイカット

   

EQでハイカットやローカットをするだけのシンプルなものですが、ミキシングで使用していたEQでそのままできるという、新たに「DJMFilter」を挿さなくていいメリットがあります。

   

そしてEQでDJミキサーの「Filter」のような効果を得るには、設定のポイントがあります。

      

・カットのカーブを急激にする。

・カットする周波数ポイントを強調する。

    

    

の部分は、Logic Pro Xの場合、「6, 12, 18, 24, 36, 48」とありますが、数値が高いほどカーブが急になります。

      

「6」の場合

       

      

「48」の場合

    

     

の部分は、周波数ポイントを強調することにより、DJミキサー「Filter」の特徴的な”シュンシュン”とした効果を得られます。

         

デフォルトの「0.71」

         

周波数ポイントがなだらか

        

                    

「4.0」の場合

              

周波数ポイントが大きくなっている

   

    

周波数ポイントを強調して、帯域の移動をわかりやすくすることにより、DJミキサーの「Filter」と同じような効果を得ることができます。

    

ひとつ注意するべき点が、の部分の数値を上げると、画像を見ての通り、単純にその帯域がブーストされます。今回のようにビルドアップ全体やトラック全体に、このような設定でかけてしまうと、求めていない帯域の上がり方になってしまいます。このテクニックを使う場合、使いたいトラックを分けてそのトラックだけにこのEQを適応するなど、このEQでどのようなことが起こっているのか、確認しながら使用しましょう。

このテクニックは、使い方次第で楽曲に良い効果を与えてくれるので、いろいろなアイディアを試してみましょう!

       

         

       

RYOTA

スネアのピッチとキーの一致

      

みんさんこんにちは。

      

スネアを選ぶときの判断基準は、どのようなものですか?

中低音がある重いスネア、中低音があまりなく高音が強い軽めのスネア、迫力があるスネアなどいろいろあると思います。

選んだスネアを楽曲に取り入れてみたけど、何かうまくハマらないというとき、楽曲との相性の選択自体のミスの可能性ももちろんありますが、選んだスネアの「ピッチ(音程)と楽曲のキーの不一致」という大きな問題の可能性があります。

必ずしもスネアのピッチを気にしないといけないわけではないのですが、ピッチがありそうなスネアは、この点に気をつける必要があります。

スネアのピッチと楽曲のキーが合っていないと、スネアが浮いて聞こえたり、楽曲に馴染まなかったりします。これは、EQなどのミキシングの処理以前に改善すべき点です。

例えばこのようなスネアです。

      

      

このようなFuture Bassによく使われそうなスネアは、ピッチがしっかりしていて、特に気を付ける必要があります。

ピッチがあるのかわからない場合は、気に入ったスネアをDAWへ取り込み「Tuner」でピッチを確認しましょう。

今回のこのスネアは「C#」でした。      

特にNGなスネアのピッチと楽曲のキーの組み合わせは、「半音違い」です。

その次に、「楽曲のキーのスケールに属さない音」です。

例えば、楽曲のキーが”Cメジャー”の場合、スネアのピッチが“B”“C#”だと半音違いなので相性が悪いです。

Cメジャーのスケール音は「C, D, E, F, G, A, (B)」なので、これらの音以外は、相性が良くありません。 

また、サンプル名にそのスネアのピッチが書いてあることがあります。たまに間違っていることがあるので、DAWへ取り込んだらピッチの確認をしっかり行いましょう。

          

       

     

スネアのピッチを変更しよう

    

各DAWに「Transpose」という項目があります。ここでオーディオのピッチを変えることができます。

     

Logic Pro Xの場合

1 ) 操作したいリージョンをを選択

2 ) 左のインスペクタの「Transpose」に変更したい分だけの数字を入力

     

     

「C#」を「G」にしたい場合、「+6」or「-6」

「C#」を「C」にしたい場合、「-1」or「+11」

※「+11」の場合、変更し過ぎなので、「-1」が有力。大きすぎる変更は極力避けましょう。時には、大きな音の変化が良い効果を与えることもあります。

      

と入力します。これだけで、そのオーディオのピッチを変更することができます。便利ですね。

         

「C#」を「+6」し、「G」に変更。

           

     

「C#」を「-1」し、「C」に変更。

       

       

DAWの機能以外に、サードパーティ製のプラグイン、WAVES「SoundShifter Pitch」やSoundtoys「Little AlterBoy」でも同様の効果を得られます。

     

WAVES「SoundShifter Pitch」

     

Soundtoys「Little AlterBoy」

      

     

今回はスネアを例として取り上げましたが、キックやパーカッションなど他の打楽器にもピッチがあります。細かな処理へも気を配り、また一段階レベルを上げましょう!

   

   

     

RYOTA

ボーカルチョップの作り方【超簡単バージョン】

こんにちは、銀平です。
今日はめちゃくちゃ簡単なVocal Chopの作り方についての解説をしていきます。
 
実はボーカルチョップについては過去に以下の記事が出ています。
天才プロデューサーのリョータさんが2記事に渡って詳細に上げておりますのでぜひご覧ください。
 
Vocal Chops – 1
 
Vocal Chops – 2
 

早速結論なのですが、今回の記事はこの動画の説明書のように捉えて頂ければと思います。
 

 
この動画でできるだけ分かりやすく説明しているつもりではありますが、この記事で文字や画像におこしておきますので、ぜひご参考いただければと思います!
 

1. ボーカルサンプルを用意
 

まずはお好きなボーカルサンプルを用意します。この時、サンプルを選ぶコツとしては、あまりしっとりしていないものを選ぶというところです。
 
ダメな例

 
良い例

 
それぞれ聞いて頂くとイメージしやすいかと思いますが、良い例のサンプルはボーカルの発音がはっきりしており、ボーカルチョップの素材として使い勝手が良いです。
 
発音がはっきりしていないサンプルでも使うことはできますが、後のメロディ作りで苦戦してしまいます。
 
この点に関してはこの先の手順を追うことで納得感が得やすいかと思います!
 
また、サンプルを選ぶ際はキーをチェックするのを忘れないでください。
例えば進めているプロジェクトがFmであれば、Fmのボーカルを使うことで音質の劣化は最小限になります。

2.「新規サンプラートラックに変換」を行う
 

 
写真のようにリージョンを右クリック(2本指クリック)すると出てくるメニューから、「新規サンプラートラックに変換」を選択します。
 

 
次に出てくるこちらの画面では、「ゾーンの作成元」を「トランジェントマーカー」にチェックを入れてOKを選択です。
 

 
そうするとこのようにボーカルの発音のポイントごとに分割されて各鍵盤に登録されます。
 
このそれぞれの発音がはっきりしている方が、ボーカルチョップのメロディが成立しやすいです。
なのでしっとりしたボーカルサンプルだとちょっと違和感が出る結果になりやすいわけですね!
 

3. メロディを作る
 

いよいよメロディ作りです。こちらも詳しく解説します!と、言いたいところなのですが、、、
 
ここは動画を見ていただくとわかるように鍵盤を適当に押しまくりながら直感的に考えていくのが一番スムーズかと思います。
 
ですが注意点が一つあります。
サンプラートラックに変換したことで生成される各鍵盤の発音には、声ではなく息継ぎの音が収録されていることがあります。
 
その部分を使用するとメロディとしては成立しにくいため、鍵盤を押した瞬間の音がはっきりとしているパートを選んでいくとうまくいきます。
 

まとめ
 

ボーカルチョップはシンセのメロディ作りに飽きた時にとても新鮮な気持ちで取り組めるアクションの一つです。
そして今回の方法はサプライズ的に新しいアイデアが浮かぶことが多い方法でもあるので、ぜひ試してみてください!
 
 
GINPEI

自分で作るオリジナルスナップ

    

みなさんこんにちは!

      

今回は、スナップ(指ぱっちん)を自分で鳴らしたものを携帯で録音して、楽曲に取り入れてみようと思います。

サンプルから選ぶのもいいですが、オリジナルで作ってみましょう。

      

録音したスナップを取り入れた完成音源

       

ダンスミュージックでは、ブレイク(抜け)に使えそうです。

録音したスナップの元の音を聴いてみましょう。

     

iPhoneのボイスメモ機能を使用。リズムは取らず、ランダムに複数回鳴らしています。

       

これをDAWに取り込み、音作りをしていきます。

録音したデータは、携帯からPCにメールで送ったりしてDAWに取り込みます。MacとiPhoneの場合、Airdropですぐに共有できるので便利です。

    

防音された空間でなく、iPhoneで録音していないので、ノイズがあります。それをEQでカットしましょう。

            

EQ処理後

         

500hzまでローカット

    

味気ないのでOverdriveで歪ませます。これがスナップの音作り工程なので、お好みで、もっと歪ませてもいいかもしれませんし、違うプラグインを使用してもおもしろそうですね。

    

Overdrive処理後

    

Overdrive設定

   

そして、一番大事と言ってもいいリバーブをかけます。

     

リバーブ処理後

      

リバーブ設定

      

ここで注意点があります。

iPhoneのボイスメモを使った録音は、モノラルでの録音となります。

DAWに取り込んでみるとわかりますが、「◯」の表示になっていて、これはモノラルを意味します。ステレオの場合、「◯」がふたつ重なった表示になっています。

      

モノラルのオーディオファイル

       

モノラルのオーディオファイル

      

これは、今回の場合だけではなく、オーディオをDAWに取り込んだ際に、目で見ても判断できるようになっておくと良いですね。

つまり、このスナップは、モノラルのオーディオファイルなので、これまでモノラルの処理をしてきたわけですね。リバーブもこのままでは、モノラルになってしまいます(モノラルでいいことも有)。しかし、リバーブでは左右の広がりを作りたいので、モノラルのままでは、その広がりが作れません。なので、リバーブを選択する際に、モノラルからステレオに切り替える必要があります。

       

EQ, Overdriveまではモノラル処理。リバーブはステレオにしたい。

     

リバーブを選ぶ際に、ステレオへの変更ができるので、「Mono→Stereo」を選択します。

        

    

これで、リバーブからはステレオになりました。

広がりがイマイチ出ないな、というときはもしかしたら、モノラルでの処理になっているのかもしれません。

リバーブがモノラルとステレオの違いを比較してみましょう。

      

リバーブがモノラルの場合

      

リバーブがステレオの場合

     

やはりステレオの方が、左右への広がりがあります。モノラルは、”奥行き”ができるイメージですね。これも場合によっては、使える空間処理です。

今回は、ステレオで処理しています。

    

ここまでの処理で、音作りができたので、使いたいスナップを選びます。

選んで並べるとこのようになります。

       

Kick + Snap

      

これで、いいかんじなのですが、このスナップひとつだけだと、少しさみしいので、複数あったスナップの別のものを選び、レイヤー(重ねる)します。

中音域を担当するイメージで、かなり歪ませて、スナップではなくスネアのような音作りにしています。

     

歪ませたスナップ

      

Overdrive設定

     

Kick + Snap + 歪ませたSnap

       

いいスナップになりました。

ここに、シェイカー的に、手を擦った音を、スナップと同じ手順で録音・音作りし加えています。

      

Kick + Snap + 歪ませたSnap + Shaker

     

手を擦ったとは思えないシェイカーぶりです。

ここにハイハットをサンプルから加えてドラムが完成です。ハイハットも作る場合、金属などを叩いて録音すると良いハイハットができそうですね。

     

Full Drums

   

ここまでできてしまえば、この上にシンセやボーカルなどを乗せるだけです。

     

完成音源

  

     

今回は、しっかりしたレコーディング環境ではない、iPhoneのボイスメモという条件で作っているのですが、それがかっこいいものだったらどんどん取り入れていいと思います。おもしろそうだから楽しそうだから、チャレンジしてみることはとても大切ですね。

   

   

      

RYOTA

コードの重ね方

   

みなさんこんにちは!

     

楽曲を作る際に、必ずと言っていいほど必要になるのが「コード」です。

今回は、このコード(和音)の重ね方を解説していきます。

コードの重ね方・コード進行は、無限にありますが、その中でもすぐに実践できるものを紹介します。

    

コード進行は「The Chainsmokers – Closer」のコード進行を用いています。

     

     

今回の解説では、Key=Gメジャー, BPM=100で進めています。

Closerのコード進行は、「C / D / Em / D」です。このコード進行は、いろいろ有名曲でも使われている王道進行です。コード進行にパクりはないので、自分の楽曲に使ってみると良いでしょう。

※その曲にしかない特徴的なコード進行の場合のパクりになる可能性あり。

     

「RADWIMPS – なんでもないや」のサビにも使われています。瀧くん!

“僕らタイムフライヤー  駆け上がるクライマー”の部分

   

   

    

1 ) 「C / D / Em / D」の三和音

    

     

     

基本的な三和音のみで演奏しています。これでも十分いい感じですが、MIDIの打ち込みを拘り、工夫していくことで、より広がりのあるサウンドにすることができます。

   

   

   

2 ) ルート音(ベース)をプラス

     

     

      

ルート音は、コード進行の大文字の部分。今回のコード進行の場合、「C / D / Em / D」なので、ルート音は、「C / D / E / D」となります。

そのルート音を、オクターブ下に重ねましょう。低音が入り、厚みが増しました。

   

    

     

3 ) ルート音と同じ音をオクターブ上にプラス

     

     

     

高音域が加わったことで、低音域から高音域の幅ができ、より広がりを感じることができます。

    

    

     

4 ) トップラインでメロディを作る

     

     

    

3 )で加えたルート音と同じ音でも良いのですが、この部分で新たなメロディを奏でることにより、より一層深みのあるコードパートが完成します。

      

1 )で打ち込んだ基本的な三和音はそのままに、上下に音を加えるだけで、ここまでの差ができます。これにプラスして、三和音の部分を少し動かしてみたり、また新たに音を加えてみるとより良いコード進行ができるかもしれません。音を聴きながらいいところを探ってみましょう。

   

     

また、このコードシンセにサイドチェインをかけ、ドラムを足すとこのようになります。

     

        

使用したシンセはSerumで、以下のようなシンプルな設定です。これにリバーブをかけています。

      

   

      

シンセがいい音で気に入っていたとしても、なにか違うな、と思ったことはありませんか。そのような時は、今回のようにMIDIの打ち込みを見直してみると良いかもしれません。

また、MIDIの打ち込みが良いと、今まで微妙だと思っていたシンセの音が良く聴こえ、使えるものだと気付くこともあります。

   

   

        

RYOTA

キック選びの重要性

      

みなさんこんにちは!

      

今回は、作りたいジャンルに合ったキックを選ぶ重要性について触れていきます。各ジャンルごとにキックを選んでいます。

※比較するために全てのキックは四つ打ちです。

    

     

BIG ROOM

       

           

アタックが強く、低音のリリース(余韻)がとても長い、このジャンル特有のキックです。Big Roomのキックは、ベースの役割も担っています。EDMの代表的なジャンルで、キックが何よりも目立ち、強調されるようになっています。

      

          

PROGRESSIVE HOUSE

   

    

アタックは強いですが、Big Roomのようにベースの役割はないため、リリースはそれほど長くないです。このジャンルもキックを全面的に出すジャンルなので、メロディなどのシンセに埋もれない、アタックが強いキックになっています。

    

   

TECH HOUSE

      

    

アタックが強くなく、リリースもそれほど長くありません。Tech Houseは、Big RoomやProgressive Houseと違い、メロディなどのシンセがあまりなく、ドラムとベースをメインに構成されるジャンルなので、アタックがなくてもキックが埋もれません。

   

    

DUBSTEP

   

    

アタックがとても強く、リリースは長くありません。Dubstepは、シンセの音が激しく派手なので、その中でもキックが埋もれないようアタックが強くなっています。

   

    

FUTURE BASS

     

    

アタックは程よくありつつ、リリースはさほど長くありません。Future Bassは、特にキックの幅が広く、独特な鳴り方をしているキックもよく使われています。

       

   

    

TRAP    

       

    

この中では、最もアタックが弱く、リリースも短いです。

     

Dubstep, Future Bass, Trapは、Bass Musicと一括りにされるジャンルで、名前の通り、楽器のベースの存在が大きなジャンルです。なので、キックはリズムを強調する役割が強く、リリースは短目で、ベースが入るスペースを大きく取ってあります。

     

各キックの波形比較

    

      

もし、作りたいジャンルのキックを選ばず、違うジャンルのキックを選んでしまったら、という比較をしてみましょう。

差がわかりやすくなるよう、Tech HouseのキックとDubstepのキックを入れ替えて構成しています。キック以外のクラップ、ハイハット、パーカッションは、同じものを使用しています。

    

     

TECH HOUSEのビートで比較

     

Tech House Kick

      

Dubstep Kick

   

     

DUBSTEPのビートで比較

    

Dubstep Kick

     

Tech House Kick

     

ビートだけでも少し違和感を覚えませんか。ここにいろいろな音が重なってくるとよりキック選びの間違いに気付きやすくなります。

   

     

音楽は自由なので、もちろん「このジャンルにはこのキック」という決まりはないのですが、基本となるキックの種類を知っておくことは重要です。

もし、何か思っているものと違うなと感じていたら、それはキックの選びがよくないのかも知れませんね。それは、クラップやスネアなども同様です。

自分が作りたいジャンルの参考となる楽曲を分析していくことは、とても良いヒントになります。楽曲制作の際には、リファレンス(参考曲)を置くことをおすすめします。

それでは、より良い音選びを!

    

   

     

RYOTA

HipHopの重低音の作り方

こんにちは、銀平です。
 
HipHopやTrapなどの音楽を聴いていると、重低音が響いている感覚がありますよね。
 
このヘビーなサウンドを作るためには、重低音が何によって出来ているかを知る必要があります。
 
今回の記事はHipHopの重低音についての解説です。
 

重低音の正体

 
重低音の正体は、周波数の低域です。
低域がしっかりと鳴れば、重低音を感じる音楽になります。
 
つまり、トラック全体が綺麗にミックスされることで低域もしっかり鳴るわけなので、本来は低域じゃない音の調整もとても重要です。
 
今回はそのあたりの詳細を一旦置いときまして、楽曲制作初心者の方向けに、まずは重低音ってどうやって作るのってところをシンプルに解説したいと思います。
 
HipHop
に重低音を加えるためには、まず音楽の中にある重低音の要素が何なのかを知る必要がありますよね。
 
それはズバリ、ベースとキックです!
 

キックの探し方
 

ダンスミュージックの中で最も重要なサウンドとも言えるキック。にも関わらず選ぶのがもっとも難しいサウンドでもあります。
 
これはキックに限らず言えることではありますが、正しい種類のサンプルを選んでいても、ジャンルに沿っていないとフィットして聞こえない場合があります。
 
例えば、正しいポジションにキックを配置しても違うジャンルのキックを選んでいるためにどうもしっくり来なかったり…。
 
この問題を解決するためには、「この音はこのジャンルのやつ」って判別出来るようになる必要があります。
 
しかしそれもまた大変ですよね。慣れるまで時間がかかります。
 
そこで大きな助けになるのがSpliceです。
 

 
このように、Kickと検索した上でジャンルを選択すれば、作っている音楽性に合うキックを見つけ出すことが出来ます。
 

 
検索でなく、パッケージを選んだ際にもここにジャンルが表記されており、一つの指標になります。
 
こうしてジャンルを確認した上でサンプルを聴いていくだけでも耳のトレーニングになります!
 

ベースの選び方
 

ベースはそのジャンルを印象付けるサウンドの一つです。
 
ベースにも色んな音色がありますが、その中でもHipHop808という種類のベースを使う事が多いです。
 

 
キックのように叩くような鳴り方のものもありますが、伸びるサウンドです。
単体で聴いてみると、こういう音聴いたことある!ってなったりします。
 
こういった808を選ぶ際、鍵となるのはキーです。
 
作る楽曲のキーと同じキーのサンプルを選ぶのがオススメです。
 

 
 

808ベースの作り方
 


 
Logic Pro XのEXS 24サンプラーにダウンロードした808を登録して使う方法があります。
 
Editを押すことで登録ができます。
 

 
ダウンロードしたサンプルのキーとこちらを揃えましょう。
デフォルトはC3になっていますが、サンプルがFなのでFにします。
 

 
こちらは808を使ったMIDIの打ち込みです。キックとクラップを足しています。
 

まとめ
 

HipHopの重低音を表現するためには、キックとベースが重要です。
 
その中でも808はHipHopやTrapのジャンルにおいて非常によく使用される種類のベースなので、今回の記事を参考に是非試してみてください!
 
 
GINPEI

パズルで作るドラムフィル

    

みなさんこんにちは!

    

曲を作る上で必ずと言っていいほど、必要になるドラムフィル

ブレイクやドロップなどの曲の展開のタイミング、特にドロップ前には、かっこいいドラムフィルを入れてキメたいですよね。

そのために、いろいろなサンプルを聴いては選び、DAWに取り込み、曲との相性を確かめます。しかし、なかなかうまくいかないことがあります。

そのような時には、ドラムフィルを作ってしまいましょう。

     

完成ドラムフィル

   

    

    

1 ) 複数のドラムフィルを選ぼう

      

ドラムフィルのサンプルをざっくりと聴いていき、よさそうなサンプルを複数選び、DAWに取り込みましょう。

複数のドラムフィルをパズルのように、組み合わせてひとつのドラムフィルを作るので、ワンフレーズだけでも気に入ったサンプルは採用してみましょう。

    

今回は、この4種類のドラムフィルを選択しています。

     

Fill 1 (Red)

    

Fill 2 (Yellow)

        

Fill 3 (Green)

     

Fill 4 (Blue)

       

     

選んだドラムフィルを並べただけの状態

   

   

    

2 ) パズルのように並び替えよう

     

このドラムフィルを選んだ段階で、おおよその使いたい部分を決めておきます。

まずは、サンプルの使う部分・使わない部分を、大体の目安でカットします。

      

各サンプルをカット

    

ここからはイメージしたものをカタチにしていくため、並べ替えながら、自分が気に入る組み合わせを探していきましょう。

     

今回の組み合わせ

     

・Fill 1-Bをミュート。

・Fill 2-Fのキックがこのタイミングには不要だったので、Fill 2-Eのスネアをコピー。

・Fill 2-Fのキックを違うタイミングで2発 鳴るように配置 (最下段)。別トラックに分け、ボリュームを「-3」。

・Fill 3のドラムフィルはこのまま使う前提でチョイス。ボリューム「-3」。

・Fill 4-Bをミュート。Fill 4はパーカッション的な役割なので、ボリュームを控えめに「-6」。

     

並べ替え後

     

ボリュームバランス

    

イメージする力は、やっていくうちに培われるので、どんどんチャレンジしましょう。

   

   

   

3 ) リバースしたサンプルを加えよう

     

上で選んだサンプルを使い、リバース(逆再生)するFXを作ります。

リバース作成方法は、前ブログサンプルを応用しようをご覧ください。

ドラムフィルに入る直前に勢いを足すために、Fill 2-Aのハイハットの部分を複製し、リバースしています。

      

Fill 2-A Before

     

Fill 2-A After (Reverse)

     

同様に、ドラムフィルの一番最後、ドロップの直前のタイミングでも薄くリバースを足すことで、勢いをつけ、ドロップの入ることができます。

そこで、また違う箇所のFill 2-Cのスネアの部分からリバースを作成しています。

     

Fill 2-C Before

     

Fill 2-C After (Reverse)

     

スネアのアタック部分がそのまま残っているので、前後を少し短くカットし、最後に勢いよくボリュームが上がるようにフェードインを描いています。

     

Fill 2-C After (Reverse) + Cut + Fade In

      

    

この段階で、全体のバランスを整えつつ、ボリュームメーターが0dB以上にならないようにしましょう。

     

完成形

      

0dBを超えないボリュームバランス

   

これで完成としても十分なのですが、もうひと手間加えてみましょう。

   

   

    

4 ) ドラムフィルにオーバードライブ

    

各トラックをTrack Stackでまとめます。

Track Stackの作成方法は、前ブログTremoloの応用をご覧ください。

      

ドラムフィルをすべてまとめたTrack Stack

    

このまとめたチャンネルに「Overdrive」を差し、少し歪ませ、迫力を出します。

     

Overdrive設定

    

Driveを上げると歪みつつ、ボリュームが大きくなるので、Outputでボリュームを下げます。

     

完成ドラムフィル with Overdrive

   

   

自分のイメージ・自分の曲に合ったドラムフィルを作成し、より良い作曲ライフを楽しみましょう!

   

   

     

RYOTA

サンプルを応用しよう

      

みなさんこんにちは!

今回は、サンプルを応用して、ひとつ上のレベルを目指します。

では、完成トラックをお聴きください。

    

    

Full Track

               

「ギター」「キック」「スネア」「ハイハット」の4つのサンプルを使い、それぞれにひと工夫を加え、構成しています。

   

   

    

1 ) ギターの順番を並び替えよう

                 

オリジナルのギターサンプルをカットし、順番を並び替えます。

     

Before

     

After

                

お好みのギターサンプルを選び(ギター以外も可)、コードが変わっているところでカットします。

このギターサンプルは、1小節ごとにコードチェンジしているので、各小節の頭でカットしています。

メロディだけのサンプルの場合も、同様にメロディが変化しているところで切り分けます。

     

並び替え前 (1→2→3→4)

      

※リバーブやディレイなど、前の音が次の音まで混ざっているようなサンプルの場合、この方法がうまくいかない可能性があるので、できる限りドライなものを選ぶと良いです。

     

カットした後は、分かれたオーディオのリージョンを並び替えるだけです。いろいろなパターンを試して、良い順番を探ってみましょう。

     

並び替え後 (3→1→4→2)

   

   

    

2 ) キックとスネアのサンプルをリバース

     

Kick & Snare

      

選んだキックとスネアを逆再生にするだけなのですが、昨今の音楽に使われていないと言っていいほどのもので、単純なテクニックですが、トラックのクオリティをひとつ上げることができます。

              

リバースにしたいリージョンを選び、左にあるインスペクタの詳細欄から「逆再生」にチェックを入れます。

      

元のキック

  

     

               

「逆再生」にチェック

      

チェック後

       

       

このままでも良いのですが、丁寧に処理をします。

リバースしたキックの最後の部分に、アタックの音が残ってしまっているので、その部分をカットし、フェードインしてくるように設定します。

      

     

     

フェードイン: 300, フェードアウト: 1

   

    

スネアも同様にリバースし、1回目と2回目のリバースをボリュームが大きい部分、小さい部分で使い分けています。

                      

Snare + Reverse Snare

               

   

1回目と2回目のリバースを使い分けることにより、緩急をつけることができます。

   

   

                

3 ) ループパターンを並び替えよう

                 

音は好きだけどリズムパターンが気に入らないという時に、そのループサンプルを使うことを諦めていませんか。

ループパターンを並び替えることで、使えるループにすることができます。

               

HiHat Before

               

                      

HiHat After

    

好きなところを選び、カットして並び替えています。

               

     

      

                     

Full Track

   

プロジェクト

   

    

サンプルの順番を少し並び替えるだけで、、おしいけど使えないと思っていたループサンプルが使えるようになり、より良いものができます。

これらのテクニックを取り入れることで、トラックのクオリティが上がっていくので、是非お試しください!

       

      

     

RYOTA

Lo-Fi Hip Hopを作ろう

     

みなさんこんにちは!

今回は、「Lo-Fi Hip Hop」というものを作っていきます。

      

Lo-Fi Hip Hopとは?

       

近年になって生まれ、特に去年から今年にかけて盛り上がりをみせているジャンルです。アナログレコードを再生したようなノイズ混じり・音が不安定なサウンドが特徴です。EDMのような盛り上がるダンスミュージックとは違い、ホッと一息つきたい時などに聴きたくなるジャンルで、BGMのような感覚で聴ける日常に寄り添った音楽でとても癒されます。

また、Lo-Fi Hip Hopの重要なキーワードに「アニメ」があり、ジブリなどの日本のアニメーションのサンプリングが使われていたり、YouTubeなどではアニメの映像や画像がよく使われています。

        

それでは、早速作り方をみていきましょう。

              

完成音源 (BPM=105, Key=Eメジャー)

    

   

    

1 ) 音を汚そう

     

メインとなるギターは、Cymatics – Black Friday Guitarsの中から「Cymatics – Black Friday Sad Guitar Loop 4 Part A Dry – 105 BPM E Maj」を使用しています。

      

(オリジナル)

      

Lo-Fi Hip Hopを作るにあたって、一番のポイントとなってくるのが、このギターの処理です。

Lo-Fi (Low Fidelity)とは、Hi-Fi (High Fidelity)「高忠実度、高再現性」の対義語で、低音質のことを指します。ノイズが入ってしまっていたり、音が不安定に揺れていたりするものを良しとし、世界観を作り出します。

そこで使用するのが、iZotope社のVinylです。

レコード再生時に発生するノイズや、盤面の反りによる音の揺れなどを再現することができます。

このプラグインはフリーで使用することができるので、是非ダウンロードしてみてください。

      

iZotope – Vinyl

     

このVinylと空間系の処理後がこのようになっています。

                     

                    

WARP DEPTHで音を揺らすことができるので、15%に設定し、YEARのツマミを1980にしています。年代を遡るにつれて音質が落ちていきます。

                

     

Delay (Logic Pro X – Stereo Delay)

      

Reverb (Logic Pro X – ChromaVerb)

    

    

     

2 ) アンビエント音を入れよう

        

アンビエントとは「周囲の」、「環境の」という意味です。日常の周りにある音、鳥の鳴き声や海の波の音、風の音などがレコーディングされたものをトラック中に入れて、より日常感を演出しましょう。

       

       

また、このようなアンビエント系には余計な低音が入っていることが多いので、EQでカットしましょう。

     

    

    

    

3 ) ドラムとFXの構築

      

Full

       

Drums & FXs

         

ドラムを選ぶポイントは、そのジャンルに合ったモノを選ぶということです。

Lo-Fi Hip Hopの曲で、EDMのようなパワフルなキックは合いません。

そのジャンルのリファレンスを見つけ、どのような音が使われているか参考にするといい選択ができやすくなります。

ドラムは、「キック」「スネア」「ハイハット」「パーカッション」「クラッシュ」のシンプルな構成です。そこにふたつの「ライザーFX」を追加しています。

好きなパターンで組んでみましょう。

    

    

     

4 ) ベースを打ち込もう

     

ギターサンプルに沿ってベースを打ち込んでいます。

キックのタイミングでサイドチェインがかかるようにしています。

       

Bass (サイドチェインあり)

      

Bass (ES M設定)

     

Bass Line (この2音のループ)

     

       

これで以上です。

大きなポイントはギターの「Vinly」での処理です。いろんなところで試してみるとおもしろい効果を得られるかもしれません。

また、Lo-Fi Hip Hopに歌はあまり入らないのですが、歌を入れたパターンも作りました。

       

With Vocal

       

こうなると”The” Lo-Fi Hip Hopではなくなってきますが、アイディアとして取り入れてみました。

San Holoというアーティストがこのような曲を多く作っています。

       

San Holo – worthy

       

何かのジャンルの知識を吸収し、自分の楽曲に取り入れれば、自分の中にまた新たなパターンができていきます。

     

       

     

今回で、Lo-Fi Hip Hopというジャンルを知り、気に入った方は制作にチェレンジしてみるといいですね。

休日のためのトラックに息抜きにいかがでしょうか。

                 

    

      

      

RYOTA