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Spliceでまずチェックして欲しい王道サンプルパック

こんにちは。
音楽制作を始めるにあたり、サンプルを上手く活用することで楽曲のクオリティを手早く上げることができます。
サンプルとは「音の素材」のことで、すでにオーディオデータになっている状態のものです。これらをパズルのように上手く当て込んでいくと楽曲のクオリティも上げやすくなりますし、何より作曲初心者の時点では素早く音楽を形にする為の強力な武器になります。
とはいえ初心者に関わらず、世界でヒットしている楽曲にももちろんサンプルはふんだんに使われており、複数のヒット曲で同じサンプルを発見なんてこともしばしばあります。
 
そんなサンプルを幅広いジャンルで取り揃えている代表的なサービスが「Splice」です。
 
今回は、これからEDMをはじめとするダンスミュージックを作りたいと思っている方へ、このSpliceで最初にチェックしておくと良いオススメのパックをご紹介していきます。
 

Sounds of KSHMR Vol.3

言わずと知れたEDM界の大物”KSHMR”のサンプルパックです。
2020年現在Vol1~3までリリースされており、その全てがこの数年のEDM系楽曲に大きく影響を与えたと言っても過言ではないくらいのクオリティです。
 
「これからEDMの制作を始めるんだけど、どのサンプルパックが良いのかなあ」と悩んでいる方にはまず最初にチェックして頂きたいです。
 
例えばVol.3のパッケージからDrumsのカテゴリで絞り込み、BPMも自分の作りたいテンポくらいで指定してチェックしてみると、それらのサンプルループを聴くだけで「ああ、こういう音よく楽曲で聴くことあるなあ」と気付くことがあります。なんならそれが本当にそのサンプルを使っているケースも無くはないくらい世界中のヒット曲でSounds of KSHMR Vol.3は使われています。
 
楽曲制作を始めたての時は、どの音をどんな場所で入れるべきなのかがわからず作業が進まないといったことが非常に多いです。その中でKSHMRパックのような王道サウンドはその発見をしやすい素晴らしい教材ともいえます。

Virtual Riot シリーズ


Dubstep業界のスター”Virtual Riot”のサンプルパックシリーズです。
王道EDMの代表サンプルがKSHMRなら、Dubstepでは彼のサンプルがその代表とも言えます。
ビートを作る為のDrumsはもちろん、シンセでの表現が難しいDubstep独特のうねるようなサウンドもサンプルで数多く出されており、楽曲制作始めたての際はこれらのサンプルを切り貼りして並べていくことでこういったサウンドでのリズム作りのインスピレーションを得るきっかけになります。
アイデアが出にくいBreakdown(主に最も盛り上がるメインパート以外の割と静かに進むパート)なんかもサンプルで多くの提案がされており、こちらもインスピレーションを得る良いサウンドが揃っています。

KARRA Vocal Sample シリーズ

自分の楽曲にVocalを入れるというのは作曲を始める上で憧れの作業の一つですよね。
KARRAはここまでご紹介してきたようなプロデューサー/サウンドデザイナーとは違い、ボーカリストとして活躍するアーティストです。
彼女のサンプルは曲中に自由に組み込むことができるようBPMとキーをラベリングした数小節のボーカルループから、楽曲に効果音的な役割でも組み込むことが出来るようなワンショット系のサンプルも数多く出されています。
なによりボーカルサンプルがコピーライトフリーで自分の楽曲に取り入れることが出来るので、楽曲制作はじめたての初心者の方はまず彼女のボーカルをチェックしてみてはいかがでしょうか。
もちろんボーカリストのサンプルパックは彼女以外にも本当に素晴らしいものがあるので好みのボーカルを探していくのも楽しいですね。
 
※コピーライトフリーなので自由に使う事は出来ますが、ほとんどのボーカルサンプルで楽曲のクレジットに記載することを禁止しています。例えば上記のサンプルを使って楽曲を完成させリリースする際に「feat. KARRA」と記載する事は基本的に禁じられています。
 

Spinnin’ Sounds シリーズ

EDMが好きで楽曲制作を始めるなら、このロゴは誰しもが目にしたことがあるのではないでしょうか。Spinnin’ Recordsという世界最大のダンスミュージックレーベルが音楽制作者のために直々にサンプルパックを多数配信しています。
KSHMRのシリーズ同様にこちらもEDMの王道サウンドが多数収録されており即戦力になるものばかりですが、こちらのシリーズのありがたいところはジャンル毎にリリースされている点です。
2020年12月時点では、
・Big Room
・Future House
・Bass House
・Tech House
・House
・Trap/Future Bass
・Pop/Dance
・Progressive House
が配信されており、すでに多くのジャンルのパックがあります。この調子だと今後もどんどんリリースされていく気がします。
 
EDMというのは幅広い解釈があり、その中には上記のような細分化されたジャンルが存在します。
楽曲を作る上で、まずは自分が作っていきたい音楽がどのジャンルに属すのか理解する事はとても重要です。
もちろん作曲自体は自由なものなのでジャンルに固執する必要は一切ありませんが、求めているサウンドを的確に探していくためにはジャンルの理解は重要だと言えます。
 
これらをまずはチェックし、好きなサウンドが見つかったらしばらくそれらを使って制作する事で自分の表現したいジャンルのサウンドがいかにして他のジャンルと違いがあるのかを理解することが出来ます。
これはサンプルセレクトのレベルを上げるきっかけになるため、同時に楽曲にクオリティも一気に向上させられます。

Oliver: Power Tools Sample Pack Vol.1, 2


最後はOliverサンプルパックシリーズです。
彼のサウンドの特徴は何と言ってもDISCOです。この記事を書いている2020年、世界中の楽曲で懐かしいサウンドが取り入れられていますよね。
代表的な楽曲をあげるとBTSのDynamiteやThe WeekndのBlinding Lightsなど。いずれも最新トレンドの楽曲でありながらサウンドはどこか懐かしい80年代風の仕上がりになっています。
こういった楽曲を作る際、ここまで紹介してきたようなサンプルパックを使うとどうしてもその質感になりません。たとえリズムなどを正しく構築できていたとしても、各サンプルが悪い意味で”新しい”ため、納得のいく仕上がりにならないのです。
Oliverのサンプルパックは80年代のDISCO系サウンドを多数収録しながらも、そのサンプルの迫力は現代のEDMにも匹敵するものになっているので「ただ古いだけ」の聴こえ方にさせずに懐かしいビートを作ることが出来ます。

最後に

ここまでご紹介してきたサンプルパックはSpliceのランキングでも長い間上位に位置しているものも多いため「こればかり使っていては他の制作者と被ってしまうのでは?」という疑問も生まれるかと思います。
これは仰る通りです。現に、有名な楽曲同士でもサンプル被りは多く、リスナーがそれに気付くことも珍しくありません。
しかしながら、楽曲制作を始めてすぐのうちはあえてその王道のサウンドを理解しておくことで「こういったサウンドが世の中で受け入れられているのか」と一旦理解するステップを踏むことが出来ます。
このステップを踏むからこそ「ここのサウンドはこれだと一般的すぎるから、あえてこのサウンドにしてみよう」というような独自の崩し方が出来ます。
こういう手順を踏むことで、自分のオリジナリティとキャッチーさをバランスよく取り入れた楽曲を作ることが出来ます。
 
とまあ、ここまで小難しい話を書いてきましたが、最後は自分の直感を信じ自由に作曲を楽しんでもらえてら嬉しいです。
 
 
GINPEI

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