みなさんこんにちは!
今回はUniversal Audioから新しくリリースされた「A-Type Multiband Dynamic Enhancer」をご紹介いたします。
UAD A-Type Multiband Dynamic Enhancerチュートリアル動画
A-Type Multiband Dynamic Enhancerは、1960年代に、テープヒスノイズの低減のためのノイズリダクションツールとして誕生しました。
そこからそれぞれのスタジオなどで改良され、エンハンス効果を加えることができるツールとして浸透していきました。
ボーカルやドラム、ベース、さまざまな楽器の存在感を出すために使用するなど、QueenやAC/DCなどの楽曲に取り入れられています。
A-Type Multiband Dynamic Enhancerは、現代的なマルチバンドコンプレッサーやダイナミックEQの入口となっているようです。
・Excite
倍音を付加するのではなく、低いレベルの信号を増幅する仕組みです。マルチバンドのアップワードコンプのようなイメージで良いと思います。倍音成分は変化せず、小さな音を大きくする作用ですので、元素材のイメージを変化させずに音を前に出すことができそうです。
4つのマルチバンドがオンで動作します。
・Expand
エクスパンション・トランジェントシェイピング・ノイズリダクションが組み合わせられています。それぞれの設定や割合は操作できません。エキスパンドモードでは、音が大きな信号には多くのゲインリダクションがかかり、大きい音と小さい音の差を少なくし、前面に音を出してくれるようで、マルチバンドコンプレッサーのようなイメージだと思います。
4つのマルチバンドがオンで動作します。
・Air
名前の通り、高域にサチュレーションを付加して、存在感を与えます。「Vocal Trick」と名前がつけられるくらいボーカルによく使われていたトリックのようです。
Lowバンドと Low Midバンドが無効になります。
・Crush
積極的なコンプレッションで、歪みを加えることができ、汎用性が高いモードです。
チュートリアルでもあったように、ドラムとの相性がとても良いです。
マルチバンドは無効になり、シングルバンドになります。
・Gated
基本的なゲートエフェクトの挙動です。ドラムで使用されることが多く、リリースのコントロールに良いです。
・MIXノブ上の「i」をクリックすると各ボタンの説明が表示されるようになります。
現在は、ApolloインターフェイスなどのDSP版のみで、まだNativeには対応していません。
価格が「$199」ですが、「UAD Custom 2 Boundle」を選ぶと「$99」で購入することができ、A-Type Multiband Dynamic Enhancerともう一つ任意のプラグインを手に入れるとことができます。
ボーカルにかける「Air」モードは、数々の有名アーティストのボーカルに使用されてきたことだけあり、使い勝手も良くかなり好印象でした。
ドラムバスにかける「Crush」も、ドラム全体の存在感を出してくれます。
全体的な総評は、どのモードも既にリリースされているプラグインで置き換えることができそうで、特別にこのA-Type Multiband Dynamic Enhancerのサウンドが気に入らない限り、必要性は低いと感じました。価格も効果ですしね。
例えば、「Air」は、Fabfilter – Saturn2やPlugin Alliance/Universal Audio – Maag EQ。
「Crush」は、Soundtoys – DecapitatorやPSP Audioware – VintageWamer 2など。
やはりそれぞれのプラグイン・メーカーで、近くてもかかり方が違うので、気になった方は、デモで試してみる価値ありだと思います。
RYOTA
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