今回は、「HIP HOP SAMPLE PACKを使ってトラックメイク」の後編になります。( 前編はこちら )
前回は、ドラムの構築まででしたので、さっそく続きからみていきましょう。
3 ) 808 Bassを使おう
808は、名器「Roland TR-808」をサンプリングしたものになります。
Hip Hop, Trapの音にしたい、というときは808のサンプルを使うと求めているものになるでしょう。
今回は、サンプルパック“COBRA”の808 Bassのサンプルの中から
808s: 「Cymatics – Cobra 808 11 – E」
を使用しています。好きなものを選びましょう。
選んだサンプルをDAWへ取り込みます。
取り込んだオーディオファイルの上で右クリックをし、「新規サンプラートラックに変換」します。
作成されたトラックのサンプラーEXS24から、editを開きます。
エディター画面
以前のブログ「Vocal Chops -2-」に説明がある通り、このままでは、808 BassのEの音がC0の鍵盤で鳴ってしまい、C0以外の鍵盤では音が鳴らない状態です。
以下の設定を変更します。
・ピッチをサンプルの音に合わせる。(今回の場合、E)
・キーレンジを必要な範囲に設定。
設定をした808 Bassでこのように弾いています。
基本的にキックの発音に合わせ、ベロシティで少し強弱をつけています。
そして、キックが鳴ったタイミングでベースが引っ込むように、ベースにサイドチェーンをかけ、EQでハイカットしています。
808 Bassサイドチェーン有
サイドチェーン設定
EQ設定
ここまでで、オケの部分が完成しました。
4 ) Vocalを入れよう
ボーカルは、Logicに入っているApple Loopの中から、
・Mikal Lyric 13
・Mikal Lyric 14
・Mikal Lyric 15
・Mikal Lyric 16
を選び、順番に組み合わせて使用し、Hip Hopのボーカルでよく使われている「オートチューン」、「ケロケロボイス」と呼ばれるエフェクトをかけています。
さらに、Logic付属のStereo Delayをインサートに、ChromaVerbをSendで送りかけています。
Rap Dry
Rap Wet
オートチューンにLogic付属「Pitch Correction」を使用
Logic付属ではない代表的なものだとAuto-Tune Pro, Melodyneがあります。
Delayの設定
Reverbの設定
チャンネルストリップ
当スクール講師「Thug Life GINPEI」が、動画でわかりやすくオートチューンの解説をしています。
他にもダンスミュージック制作に役立つテクニックを解説しているので、是非チェックしてみてください。
Thug Life GINPEI
また、アウトロに入るところにのみ、次への展開をスムーズにするために、ボーカルに別のディレイがかけています。
ボーカルトラックの設定を同じままに複製し、その最終段に「Delay」をかけています。
ディレイをかけたいフレーズのみを複製トラックへ移動
Delay設定
チェンネルストリップ
そして、後半から入ってくるVocal ChopsもApple Loopから「Around Midnight Vox Melody 01」選んでいます。
Vocal Chops Dry
このVocal Chopsには、リバーブをかけ、少し後ろにいるような位置関係にし、メインのラップボーカルがセンターにいるので、Tremoloで左右に振っています。
Vocal Chops Wet
Reverb設定
Tremolo設定
5 ) FXを入れよう
ちょっとしたアクセントになるようCOBRAのサンプルから、FXをふたつ加えています。
Cymatics – Cobra Misc FX 13
Cymatics – Cobra Reverse FX 2
完成音源
プロジェクト画面
ミキサー画面
これで、今回のトラックの解説は以上になります。いかがだったでしょうか。
この中のどれかひとつのアイディア、手法を自分のトラックに取り入れるなど、みなさんのトラックメイクのお役に立てれば幸いです。
THUG LIFE RYOTA
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