こんにちは。
最近は80年代テイストの音楽が世界的に流行っていますよね。
その代表格といえばビルボードチャートで1位にもなったBTSのDynamiteです。
80年代というと幅広いですが、この曲についてはDisco調の音楽です。
今回はこの楽曲のビートにフォーカスしてその作り方を解説していきます。
こちらの動画でも解説を行っていますので、こちらの動画とセットでご参考頂けるとわかりやすくなっております。
※制作にあたりSpliceのサンプルを使用しております。
また、すでに加入している方はこちらのリンクから今回使用しているサンプルをまとめたプレイリストをご覧頂けるのでよろしければどうぞ。
KICKのサウンド
Kickにはこちらの2つのサンプルを使用しました。
・Lenno Sample Pack Vol.2 – LENNO_kick_modern_motion
・Televisor Nu Disco Dynamite – Tele_kick_35
メインで使用しているのはLennoのKickの方で、こちらのサウンドはDisco系や現代っぽい洋楽Popでもよく聴く定番のKickですね。めちゃめちゃ使い勝手が良いです。
そしてもう一つのTelevisorのKickですが、こちらはLow CutしてHiあたりの要素を加えました。Hiの帯域にはカチャッとしたいわゆる生音感あるサウンドがあり、これをレイヤーすることで現代のPopっぽい存在感を持ちつつアコースティックな感じも出すことができます。DynamiteはDisco調でありながら今っぽい力強いビートは残しているのでこういった再現をしてみました。
おまけでこちらのCowbellを追加しました。
こちらの2:06を聴くとわかりやすいかもですが、Cowbellの音がKickと一緒に入っていますよね。
これでKickにさらに特徴が生まれました。
Snare
Snareはこちらです。Snareについては後述するClapと同じタイミングに配置しています。
一般的にSnareはClapよりも帯域が低く、中域あたりを支配するサウンドです。この部分にサウンドが入ることでClapのリズムだけでは少し軽かった印象のリズムもしっかりと芯があるように聞こえます。
・Oliver: Power Tools Sample Pack – OLIVER_one_shot_snare_disco_05
リバーブ(響き)感の無いドライなSnareを使用しました。
このSnareの特徴は何と言ってもアタック(音の開始)部分にあります。
「パン!」というハッキリとしたサウンドの直前に入りで少し「クシャッ」と鳴る感じがあります。
アタック感だけでなくこのクシャッと感があると、ビートのリズムに人間味が増します。
特にSnareやClapにはこういった入りの部分が少しクシャッとした音があることがありますのでぜひそこに注目して色々聴いていくとわかってくると思います!
Clap
Clapはなんと3種類使っております。
「なんと」とは言いましたが、実はダンスミュージックではClap系のサウンドを3種類くらレイヤーすることもしばしばあります。
・Oliver: Power Tools Sample Pack – OLIVER_clap_one_shot_808
・Sounds of KSHMR Vol.3 – KSHMR_Clap_Stick_Clap_02
・Sounds of KSHMR Vol.3 – KSHMR_Human_Stack_Clap_06_Squishy
まずOLIVER_clap_one_shot_808ですが、これは他の2つのClapと比べるとリバーブ感があるので余韻がありますね。
このリバーブ感があることによってビートの鳴っている空間が大きく感じるのでビートに奥行きのある感じを表現できます。更にこれを複製し、1つは完全に左へPanを振り、もう1つは完全に右にPanを振りました。更に、2つの鳴るタイミングをほんの少しだけずらすことによってサイドで聞こえるようになります。詳しい操作は動画をみた方がわかりやすいと思うので割愛しますが、これを行うことでビートが更に立体的になります。それだけでなく、Clapが左右で鳴ることでボーカルがセンターでしっかり目立つという利点もあります。
次にKSHMR_Clap_Stick_Clap_02ですが、これは聴いて頂くとわかると思いますがすごくスタンダードな定番のClapといった感じのサウンドです。また、先ほどのOLIVERのものよりも少しトーンが高いのでレイヤーすることで幅広い帯域でClapが鳴るようになります。
最後のKSHMR_Human_Stack_Clap_06_Squishyですが、「Human」とあるように他のClapとは違って人間味のあるサウンドです。このClapがレイヤーされることでElectro感だけでなくアコースティックな要素を加えることが出来ます。
Hat
HiHatはClosedとOpenをそれぞれ1種類ずつ使っています。
・Televisor Nu Disco Dynamite – HiHat_Crispy
・Sounds of KSHMR Vol.3 – KSHMR_Open_Hat_11_Natural
いずれもPop系のジャンルに向いているサウンドです。その理由としては、あまり加工され過ぎていない、本来のドラムのサウンドに近い状態であることが挙げられます。
Hatは特にスピード感やグルーブに影響を与えるサウンドで、どのようなリズムで配置するかがとても重要になります。
少し見難いですがClosed HiHatは1小節に対して8部音符で構成しています。4つ打ちのリズムを倍速で刻んでいる状態ですね。
更に重要なのが下のベロシティという項目です。これはその打ち込みの鳴る強さをコントロール出来るパラメータなのですが、交互に弱くしています。そしてその弱さもあえて数値を固定せず大体の数値で下げているため、ここにも人間味を出す工夫があります。
まとめ
細かなちょっとしたテクニックも織り交ぜており、そうした点は特に動画だとわかりやすいかなと思いますが、重要なのはシンプルに構成されている点です。
この楽曲はボーカルも含め非常にキャッチーで明るく、どんな世代や国の人でもノリやすいスタンダードなリズムで作られています。
「世界トップの楽曲」と考えるとなんだか素人にはわからない凄まじい音楽的手法をいくつも取り入れられているのではないかと考えてしまいがちですが、良い曲が必ずしも複雑である訳ではないので、こうした楽曲から学べることはたくさんありますね!
GINPEI
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