みなさんこんにちは!
今回は、ボーカルに対する空間系「ディレイ」と「リバーブ」のかけ方をみていきましょう。
ボーカルの空間系の処理がうまくいっていない方の、参考になれば幸いです。
ディレイやリバーブなどの空間系のかけ方は、「インサート」と「センドアンドリターン(センド)」があり、ボーカルに対しては「センドアンドリターン(センド)」を使うことが基本です。
※インサート – チャンネルに直接プラグインを挿すこと (直列)
※センドアンドリターン – 別チャンネル(B)を作り、元チャンネル(A)の音をBへ送り、AにB混ぜること (並列)
これは、「基本」として捉えるべきで、インサートで処理した結果が、理想・かっこよくなるのであれば、その選択をするべきでしょう。
今回は、「基本」の「センドアンドリターン(センド)」で処理します。サンプルは、ボーカルとピアノの構成で、このようなディレイ・リバーブ感になっています。
完成音源 (Piano + Vocal)
馴染んでいて、自然に聴こえますね。
では、空間系(ディレイ・リバーブなし)がかかっていない場合どう聴こえるのでしょうか。
ディレイ・リバーブなし (Piano + Vocal)
ボーカルはハッキリ聴こえますが、馴染んでいなく、少し浮いている印象ですね。
空間系があった方が、馴染み方に加えて、響き豊かな上質な楽曲の印象になるように思います。
ディレイをかけたいチャンネル(今回はボーカル)の「Sends」をクリックし、このチャンネルの信号(音)をどこに送りたいかを指定します。
送り先は以下のようにいくつもあり、どこに送ってもいいのですが、「Bus 1」に送ります。
すると送り先のチャンネル「Aux 1 (オグジュアリ)」というチャンネルが作られます。
「Sends」で指定した「Bus1」の送り先が「Aux 1 (オグジュアリ)」となり、この「Aux 1」にディレイを挿します。
この時に、元のチャンネルの信号(ボーカル)をどれだけ「Aux 1」に送るかを決める、以下画像赤枠のレベルが上がっていることを確認しましょう。どれだけ送るか数値を決めることができるのですが、「0.0db」でよいでしょう。少しの信号を送りたい時にはこの数値を下げます。
元チャンネルの信号が送られていない
元チャンネルの信号が送られている
「Aux 1」に「Stereo Delay」を挿し、「OUTPUT MIX」が「100%」になっていることを確認しましょう。(このチャンネルはディレイだけが流れるチャンネルにしたいため。)
この状態だと、元チャンネルのオリジナルのボーカルと同じものがディレイしていて、オリジナルのボーカルを邪魔してしまいます。
Delay No EQ
「Aux 1」の「Stereo Delay」の後段にEQを挿し、オリジナルのボーカルを邪魔しないよう処理します。画像のような設定にしています。
Delay EQ
Delay EQ
この後に、どれだけディレイを加えたいか「Aux 1 (ディレイチャンネル)」のボリュームフェーダーでコントロールします。
今回はこのようなディレイの聴こえ方にしています。
Vocal + Delay
ディレイと同じ手順で、「Sends」から空いているBusを選び、ボーカルの信号を送ります。
ディレイで「Bus1」を使用したので、リバーブには「Bus2」を選び、「Aux 2」が作成されました。
その「Aux 2」のチャンネルにリバーブを挿します。
ディレイ同様、元チャンネルの信号(ボーカル)が、「Aux 2」に送られるようレベルが上がっているか、リバーブの設定が、「Dry 0%, Wet 100%」になっているか確認しましょう。
リバーブの設定は、「Vocal Hall」を選び、「Decay (リバーブの長さ)」を「1 bar (1小節)」にし、その他の設定はデフォルトです。
ディレイの時同様に、この状態だと元チャンネルのオリジナルのボーカルと同じものがリバーブで響き、オリジナルのボーカルを邪魔してしまうので、「Aux 2」の「ChromaVerb」の後段にEQを挿し、オリジナルのボーカルを邪魔しないよう処理します。画像のような設定にしています。
Reverb No EQ
Reverb EQ
Reverb EQ
この後に、どれだけリバーブを加えたいか「Aux 2 (リバーブチャンネル)」のボリュームフェーダーでコントロールします。
今回はこのようなリバーブの聴こえ方にしています。
Vocal + Reverb
ディレイとリバーブそれぞれの処理後、両方を混ぜて、理想の聴こえ方に調整しましょう。
Vocal + Delay + Reverb
また、別のプラグインで違うディレイとリバーブをかけるとまた違う聴こえ方がします。(似た設定ではなく、異なる設定)
理想の響きが作れるよう、色々な設定やプラグインを試してみましょう。
Piano + Vocal + Delay + Reverb (違うディレイ・リバーブ、EQは同じ設定)
Soundtoys – Echoboy Jr. (Delay)
Valhall DSP – ValhallaVintageVerb (Reverb)
RYOTA
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